住宅ローン

住宅広告のローン支払い例に注意! 実際の返済額はどうなる?

住宅ローンの返済例、広告にだまされていませんか?

不動産広告の住宅ローン支払い例、決して間違いではないけれど月々返済額が安く見せかけられていることも。どこに注意して確認すべきか、そして実際の支払い額はいくらになるのか、解説します。

住宅広告のローン支払い例にだまされるな!?

マンションや建売住宅の広告でこういうのを見たこと、あると思います。

【住宅ローンの支払い例】返済例※架空の販売価格を元に筆者作成

住宅ローン支払い例ですが、これを見て、
「お、月々10万以下で買えるのか!家賃より安いしヨシ!」と思ってしまう人、
契約してから「あれ?ちょっとおかしいな…」となること確実です。

いくつか注意すべきポイントがありますので、確認していきましょう。

ローン支払い例・返済例のチェックポイント

大事なことは全部小さい文字で書いてある、というわけではありませんが、買う側に都合が悪いことは小さな文字で書かれがちです。なので小さい文字をチェック

返済例のチェックポイント

そもそも借入額はいくら?

事例では4,980万円の物件ですが、ローン支払い例では借入額が4,800万円
つまり180万円は頭金として貯金から出す前提になっています。

「貯金なら200万くらいあるから大丈夫!」という人でも、物件購入時には諸費用もかかります。なので本当に借入額がこれで大丈夫なのかは諸費用含めてシミュレーションしてみないと分かりません。

頭金に回せる金額は、諸費用シミュレーションしてから確定すべし!

ボーナス返済を併用してる?

月々の支払額を少なく見せかけるために使われるのがボーナス払い。
ボーナス月の加算返済額、というのは月々の支払いに追加して必要な金額です。

上の例では月々9万円台の支払いに見せるためにボーナス月は25万円以上の支払いに!
ボーナスが無い会社の人はもちろん、ボーナスが景気によって増減することも考えると、ボーナス払いを0にして月々の支払いだけで家計が成り立つように考えるのがおすすめです。

ボーナス返済は0でシミュレーションするべし!

金利は?

返済シミュレーションに使う金利が低ければ低いほど、支払額は少なく見せることができます。ですから通常、支払い例では変動金利・提携ローンの最低金利を使います。でもそこには注意すべきポイントが。

住宅ローンの適用金利は人によって違う

実際に借りる時の金利(借入金利・適用金利)は金融機関による住宅ローンの審査を経て決定します。具体的には、年収や勤務先、頭金の額などを中心に、パートナーが働いているかどうか、実家が近いかどうかなども金利に影響することも。

実際には審査をしてみないと分からないので、あまりにも安い金利でシミュレーションをすると、実際の金利が決まってがっかりすることも。あまり自信がない場合は、変動金利の場合は+0.2%くらいでシミュレーションしておきましょう。

フラット35の場合は金融機関が提示している金利でシミュレーションして大丈夫です。

最低金利が本当に適用できるか注意!

変動金利は上がる可能性もある

住宅ローンの金利は1995年頃から25年間、ずっと低金利が続いています。
ですが変動金利の変動とはローン支払い期間中に金利が変更される可能性がある、ということ。変動金利は上がることもある、ということは頭に入れておきましょう。

一方で金利というのはごく大雑把に言えば、日本の景気によって変動します。つまり金利が上がる時というのは景気が良くなって給料も上がっている時、ということもできそう。なので変動金利の金利上昇を必要以上に恐れることはありません。

変動金利は上がるかもだけど必要以上には恐れない

実際に現実的な返済額をシミュレーションすると?

では、上記のポイントを元に、現実的なローン支払い額をシミュレーションしてみましょう。住宅保証機構の住宅ローンシミュレーション【返済額の試算】を使います。

住宅保証機構の住宅ローンシミュレーション【返済額の試算】

【入力画面】住宅ローン返済額シミュレーション、入力のポイント

入力したら試算実行してみましょう。

【返済額シミュレーション結果】返済シミュレーション結果

どうですか? 不動産会社が返済例として提示していた99,884円より、34,402円も高い月々134,286円という結果になりました。「月々10万で買える!」と思っていたのが「月々は13万超えです」だったらガッカリしてしまいます。

ボーナス払いを併用したり、安い金利が使えるかもしれない、というのは決して間違いではありません。けれど不動産会社の支払い例だけをうのみにすることがないように、返済例の作成された条件を確認し、自分で必ずシミュレーションし直すようにしましょう。

まとめ

住宅ローンの返済例は必ず自分でシミュレーションし直そう!